入力クラス
入力クラスには2つの目的があります:
- グローバルな入力データをセキュリティのために前処理します。
- 入力データを取り出し、前処理するためのヘルパーメソッドを提供します。
Note: このクラスは、システムで自動的に初期化されるので、手動で初期化する必要はありません。
セキュリティフィルタリング
セキュリティフィルタ機能は、新しいコントローラ が起動されると自動的に呼び出されます。フィルタ機能は、次のことを行います:
- $config['allow_get_array'] が FALSE に設定されている場合(デフォルトは TRUE )、グローバルな GET 配列($_GET) のデータを消去します。
- register_globals が ON に設定されているときにセットされるグローバル変数は消去されます。
- 英数字 (と少数の他の文字) だけを許可するよう GET/POST/COOKIE 配列のキーがフィルタリングされます。
- XSS (クロスサイトスクリプティング攻撃) フィルタリングを提供します。この機能は、グローバルまたは、リクエストごとに有効化できます。
- 改行文字を \n に統一します。 (Windowsでは \r\n に統一します)
XSS フィルタリング
入力クラスではクロスサイトスクリプティング攻撃を防ぐ為、自動的に入力値をフィルタする機能が備わっています。application/config/config.php ファイルを次のように設定することで POST または COOKIE データを扱う際、自動的にフィルタを実行することができます :
$config['global_xss_filtering'] = TRUE;
アプリケーション内で XSS フィルタリングを利用する方法については セキュリティクラス を参照してください。
POST、COOKIE、あるいは SERVER データの使用
CodeIgniter には、POST、COOKIE あるいは SERVER のデータを取得するための3つのヘルパーメソッドが備わっています。 直接項目を取得する(例: $_POST['something'] ) のでなく、このクラスが提供するメソッドを使う主な利点は、メソッドにより値がセットされているかチェックされ、セットされていない場合は、false (ブール値) を返すということです。 このメソッドを利用すれば、項目が存在するかどうかをまずテストすることなく、便利にデータを使えます。 つまり、通常は、次のようなコードになりますが:
if ( ! isset($_POST['something']))
{
$something = FALSE;
}
else
{
$something = $_POST['something'];
}
CodeIgniter の組み込みメソッドを使うと、単純に次のようになります:
$something = $this->input->post('something');
3つのメソッドは次の通りです:
- $this->input->post()
- $this->input->cookie()
- $this->input->server()
$this->input->post()
第1引数は、コレクションの中から探し出す POST された項目の名前になります:
$this->input->post('some_data');
このメソッドは、取り出そうとして見つからなかった場合、FALSE (ブール値) を返します。
第2引数は、オプションで、データを XSS フィルタに通すかどうかを指定します。XSS フィルタは、第2引数をブール値の TRUE に設定することで有効になります:
$this->input->post('some_data', TRUE);
引数を指定せずに呼び出すことで、POST されたすべての値を連想配列で返します。
第1引数を NULL 、第2引数にブール値を指定することで、POST されたすべての値を XSS フィルタに通すことができます。
このメソッドは、取り出そうとして見つからなかった場合、FALSE (ブール値) を返します。
$this->input->post(NULL, TRUE); // POSTされた値をXSSフィルタを通して返します
$this->input->post(); // POSTされた値をXSSフィルタを通さずに返します
$this->input->get()
このメソッドは、get データを取り出すということ以外は、post メソッドと同じです:
$this->input->get('some_data', TRUE);
引数を指定せずに呼び出すことで、GET されたすべての値を連想配列で返します。
第1引数を NULL 、第2引数にブール値を指定することで、GET されたすべての値を XSS フィルタに通すことができます。
このメソッドは、取り出そうとして見つからなかった場合、FALSE (ブール値) を返します。
$this->input->get(NULL, TRUE); // GETされた値をXSSフィルタを通して返します
$this->input->get(); // GETされた値をXSSフィルタを通さずに返します
$this->input->get_post()
このメソッドは、get と post 両方のデータを取得対象としています、まず最初に post を対象にし、それから get を対象にします:
$this->input->get_post('some_data', TRUE);
$this->input->cookie()
このメソッドは、クッキーデータを取り出すということ以外は、post メソッドと同じです:
$this->input->cookie('some_data', TRUE);
$this->input->server()
このメソッドは、SERVER データを取り出すということ以外は、上のメソッドと同じです:
$this->input->server('some_data');
$this->input->set_cookie()
指定した値を含むクッキーをセットします。クッキーをセットする為にこのメソッドに情報を渡すには、2つの方法があります: 配列で渡す方法と個々のパラメータを渡す方法です:
配列で渡す方法
この方法では、第1引数に連想配列が渡されます:
$cookie = array(
'name' => 'クッキー名',
'value' => '値',
'expire' => '86500',
'domain' => '.some-domain.com',
'path' => '/',
'prefix' => 'myprefix_',
'secure' => TRUE
);
$this->input->set_cookie($cookie);
Notes:
name と value のみが必須属性となります。クッキーを削除するには有効期限に空白をセットします。
有効期限は現在時刻から数えた秒数で指定します。時刻を指定するのではなく、クッキーを現在時刻から 何秒間有効かを秒数だけで指定します。 有効期限を 0 にセットすると、ブラウザが開いている間だけ、クッキーが有効になります。
どのようにリクエストを受け付けたかにかかわらず、サイト全体で使うクッキーには、次のように domain にピリオドから始まる URL を追加してください: .your-domain.com
パスは、メソッドがルートパスをセットするので通常は必要ありません。
プリフィックスは、同一のサーバによってセットされたクッキーにおける名前の衝突を回避したい場合にのみ必要です。
セキュアのブール値は、セキュアなクッキーを使用したい場合のみ TRUE にする必要があります。
個々のパラメータを渡す方法
希望であれば、個別のパラメータを使ってデータを渡してクッキーをセットすることができます:
$this->input->set_cookie($name, $value, $expire, $domain, $path, $prefix, $secure);
$this->input->cookie()
クッキーを読み取ることができます。第1引数は、読み取るクッキーの名前になります (プリフィックスがある場合はそれも):
cookie('some_cookie');
この関数は、読み取ろうとするクッキーが存在しない場合に FALSE (ブール値) を返します。
オプションの第2引数で、データを XSS フィルタに通すことができます。この機能は、第2引数にブール値の TRUE をセットすることで有効になります;
cookie('some_cookie', TRUE);
$this->input->ip_address()
現在のユーザの IP アドレスを返します。IP アドレスが正しくない場合、このメソッドは、次の IP アドレスを返します: 0.0.0.0
echo $this->input->ip_address();
$this->input->valid_ip($ip)
IP アドレスを入力としてとり、IP アドレスとして妥当かどうかに応じて TRUE か FALSE (ブール値) を返します。Note: 上の $this->input->ip_address() メソッドは、 IP の検証を自動的に行います。
if ( ! $this->input->valid_ip($ip))
{
echo 'Not Valid';
}
else
{
echo 'Valid';
}
$this->input->user_agent()
現在のユーザが使用しているユーザエージェント(Web ブラウザ)を返します。利用できないときは FALSE を返します。
echo $this->input->user_agent();
ユーザエージェントの文字列から情報を抽出する方法はユーザエージェントクラスを参照してください。
$this->input->request_headers()
Apache 以外 (apache_request_headers() をサポートしない) 環境で有効です。ヘッダの配列を返します。
$headers = $this->input->request_headers();
$this->input->get_request_header();
リクエストヘッダの配列から指定した要素を返します。
$this->input->get_request_header('some-header', TRUE);
$this->input->is_ajax_request()
サーバのヘッダに HTTP_X_REQUESTED_WITH がセットされているかチェックし, boolean で返します。
$this->input->is_cli_request()
STDIN 定数がセットされているかチェックします。PHP がコマンドラインから実行されているか確認するフェイルセーフな方法です。
$this->input->is_cli_request()